MSG&SONS / Us Army Baker Pants
完売していました、アーチオリジナルレーベルのベイカーパンツが再入荷しました。
改めて、どんな背景を持ったアイテムなのか?どんなところに拘っているのか?という部分にフォーカスを当ててご紹介させて頂きます。
同じ年代に作られた物でも、サプライヤーによって、生地感や縫製仕様、シルエットに微妙な個体差があるミリタリーウェア。
弊社が所有している1950年代後半〜60年代前半の “US ARMY UTILITY TROUSERS”(通称ベイカーパンツ)を履き比べ、その中で私たちが最も理想的だと思う1本をサンプリングしました。
作業用のワークウェアとして生まれた背景を持ち、無駄が削ぎ落とされたデザインと丈夫なバックサテン生地が特徴のベイカーパンツ。
数ある軍パンの中でもデイリーに履きやすく、コーディネートを考えたときについつい手が伸びる万能さがとても魅力的です。
生地には、当時のベイカーパンツを解体し織組織を研究、糸から再現されたコットンバックサテンを使用。
ヴィンテージさながらの素晴らしい経年変化が期待できるのは言うまでもありません。
緩やかにカーブを描く前立てや、股下〜太ももにかけての弛み、生地の縮率の違いから生じたポケットのわずかな歪みなど 、、、。
偶然の産物から生まれた、ヴィンテージ特有のシルエットや雰囲気を、緻密なパターンメイキングで再現する事に注力しました。
サンプルを製作し、試着してはパターン(型紙)を微調整する、という作業を繰り返すこと約1年。
現代において、ベーシックな既製服のパターンは CADという PCソフトを用いて製作されるのが常ですが、微妙な曲線やニュアンスを再現する為に、最後はパタンナーの方に手作業でパターンを引いて頂きました。
そして、パターンメイキングは勿論のこと、縫製に関しても一切の妥協はありません。
効率が悪く、本来であれば簡素化されてしまうような部分の縫製まで、ヴィンテージを忠実に再現しています。
上の写真で履いているのは、私 (岩谷) が昨年の秋より半年間履いたものです。
履き込み洗いを繰り返すことで生じる生地のねじれや、縫製部分の縮みなどはヴィンテージそのものと言えるほど雰囲気がよく、私たちも日々履いていくほどに期待から確信へと変わりました。
ステンシルが無ければヴィンテージと見分けが付かないほどに、高い完成度を実現できたと思います。
ぜひ、店頭でご覧になってみて下さい。