INVERTERE

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今日は、新しくお取り扱いのスタートした INVERTERE(インバーティア)のダッフルコートをご紹介します。

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INVERTERE は、1904年に Harold Parkin氏とその兄弟によってコート作りをスタートし、 イギリス・ニュートンアボットの中心部で創業した老舗コートブランド。

彼らは世界で初めてリバーシブルコートを開発し、富裕層に向けて販売していました。

当時、リバーシブルコートは非常に革新的な技術で、 その生産の技術特許を幾つも保有し、今なお The Invertere Buildings に保管しています。

ちなみに “INVERTERE” とゆう名はラテン語で「ぐるりと向きを変える」とゆう意味で、 リバーシブルコートの事を表しています。

第二次世界大戦後に世界へ輸出をすべく商品の種類を広げていき、 代表的モデルのダッフルコートをはじめとした様々なコートを開発し、 高い品質とクラシックなスタイリングで世界中で知名度を築いていきました。

今回セレクトしたのは、創業地の名を冠した “NEWTON ABBOT” というロング丈のダッフルコート。

デザイン、素材、シルエット、どれをとっても最高峰と言える1着です。

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INVERTERE を語る上で特筆すべきなのは生地。

かつて、イギリスのファブリックメーカー Moorbrook(ムーアブルック)が生産していた、およそ 100年前から使われてきた旧式の織機によってゆっくりと織られたヘリンボーンウールは、肉厚でありながら非常に軽くて暖かく、美しい織目が特徴で、並外れた素材へのこだわりを持つメゾン HERMES(エルメス)もダッフルコートの生地として使用していました。

しかし、旧式の織機による生産効率の悪さや不況が影響し、1980年代に Moorbrook は倒産してしまい、メゾンも愛した伝統のヘリンボーンウールは生産されなくなってしまいます(時を同じくして Moorbrook 傘下であった INVERTERE も消滅)。

その後、同じような生地を作ろうと多くのファブリックメーカーが挑戦しますが、なかなか実現する事はありませんでした。

そのような状況の中、イングランド・ヨークシャーにて 1767年創業の名門ファブリックメーカー、Joshua Ellis(ジョシュア エリス)が、世界に 4台しか残っていないと言われている Moorbrook が使用していた織機のうち 3台を確保し、再稼働させます。

「世界一高級で高品質な素材を最高級の天然繊維で織り上げる」という Joshua Ellis の哲学のもと、2013年に伝統のヘリンボーンウールを見事に再現し、INVERTERE のダッフルコートも復活を遂げたのです。

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(169cm / 58kg サイズ40着用)
Knit / Harley of Scotland
Bottoms / El Camino Real

生地の良さもさることながら、本水牛のトグルやボタンに上質なレザー紐、丁寧に施された縫い代のパイピングなど、素材や縫製へのこだわりが随所に感じらます。

ジャケットや厚手のセーターを着れるゆとりを持ちながらも、ボリュームが抑えられた細身ですっきりとしたシルエットも INVERTERE ダッフルコートの特徴。

どこか子供っぽい印象を持たれがちなダッフルコートですが、こちらはそのイメージを見事に払拭した「大人だからこそ着たいダッフルコート」になっていると思います。

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(182cm / 72kg サイズ42着用)
Suit / Southwick
Shirts / Individualized Shirts
Necktie / Bentley Cravats
Shoes / astorflex

カジュアルなスタイルにはもちろんのこと、スーツとの相性も抜群なダッフルコートです。

アメリカ靴ならオールデン、万年筆ならモンブランのように、男の持ち物には最高峰と呼ばれる物がありますが、ダッフルコートの最高峰は間違いなく “INVERTERE(インバーティア)” になると思います。

それくらい自信を持っておススメできる至高の逸品です。

ぜひ、店頭でご覧になってみて下さい。

ARCH HERITAGE 川上